2017年イタリア旅行～ローマ編②（テルミニ駅周辺の教会めぐり）

2017/08/29 - 2017/09/06

2017年の夏休みは、昨年に続いてイタリアを訪れました。前回はミラノやトリノなど北部を中心に巡ったので、今回の旅では少し南下しローマとボローニャに滞在することにしました。

【日程】
　8月29日：成田からローマへ
☆8月30日：ローマ（フォロ・ロマーノなど）
　8月31日：カゼルタ（宮殿と庭園見学）
　9月1日：ボローニャへ移動　モデナ観光
　9月2日：ボローニャ（ポッジ博物館見学）
　9月3日：フィレンツェ（ラ・スペーコラ見学）
☆9月4日：ローマへ移動（テルミニ駅付近の教会めぐり）
☆9月5日：ローマから成田へ
　9月6日：成田着

エリア ローマ(イタリア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

8月29日、滞在2日目の続きになります。

タイトルで「テルミニ駅周辺の教会」と題しておきながら、いきなりテルミ二駅付近の教会ではありません。ここは地下鉄フラミニオ駅が最寄りの、サンタ マリア　デル ポポロ教会です。

フォロ・ロマーノで炎天下にさらされ続け、観光する気力がなくなり、ホテルに戻って休憩しました。しかし、ヨーロッパの夏は日が長いので、休憩してそのままホテルに居るのももったいないと思い、再びローマの中心地へ赴くことにしました。

テルミ二駅を通る地下鉄で行きやすい場所が良かったので、サンタ マリア デル ポポロ教会を目的地にしました。教会の外観は内部もバロックかな？と思わせる見た目でしたが、身廊部分は思いのほか質素な造りでした。

サンタ マリア デル ポポロ教会 寺院・教会

ここの礼拝堂はやたらと見学者が多いなと思ったら、『天使と悪魔』に登場するキージ家礼拝堂でした。

バロックのキージ家礼拝堂とは異なり、こちらは中世の装飾が残る礼拝堂です。浮彫彫刻に見せかけた、だまし絵が随所に見られて面白い。カラヴァッジョとキージ家礼拝堂に見学者が集まっていましたが、こちらの礼拝堂もなかなか興味深い造りでしたよ。

サンタ マリア デル ポポロ教会を後にし、スペイン広場を目指して、コルソ通りをぶらぶらと歩きました。

ローマに来たからには、ひとまずスペイン広場を見ておこうと思い、行ってはみたものの、あまりの人の多さにげんなりしました。そんなこんなで、ローマ滞在2日目の観光は終了です。

ポポロ広場 (ローマ) 広場・公園

ここから9月4日の内容です。この日はボローニャからローマに戻りました。

前日の夜まで、ローマに戻ったらカラカラ浴場を見に行こうと決めていました。ところが念のために開館時間を調べると、ローマに戻る月曜日の営業は14時まで…。
ボローニャからの列車が定刻通りにローマに到着しても、14時までとなると厳しいのでカラカラ浴場は断念しました。

イタリアは月曜休館もしくは短縮営業の施設が多いことをすっかり忘れていました。私のなかで、いつになく古代ローマ時代の遺跡熱が高まっていたので、遺跡が見たかったのですが、営業している施設がなさそうなので、予定を立て直す必要が生じました。

うらめしい思いでテルミニ駅近くにある、ディオクレティアヌスの浴場跡を外から眺めます。

ディオクレティアヌスの浴場跡 史跡・遺跡

ディオクレティアヌスの浴場跡にも入れないので、その隣にあるサンタ マリア デッリ アンジェリ教会を起点に、徒歩で回れそうな場所にある教会をめぐることにしました。

サンタ マリア デッリ アンジェリ教会の正面入り口の一部だけ切り取ると、もはや遺跡にしか見えません。

サンタ マリア デッリ アンジェリ教会 寺院・教会

遺跡にしか見えない入り口を抜けると、広々とした空間にバロック的な装飾。外観と内部にギャップがありすぎて驚きます。

豪華な祭壇だなと思いきや、何とだまし絵として描かれたものでした！

イタリアを旅行すると、だまし絵を見かける機会が多いのですが、祭壇にまで用いられている例は初めてです。だまし絵ならば、かなり建築費用を削減出来ますね。

教会の床には石材を組み合わせて表現された星座がありました。イタリアではだまし絵と並んで、大理石を巧みに用いた床もよく見る気がします。

サンタ マリア デッリ アンジェリ教会を後にし、次の教会へ向かいます。

サンタ マリア デッリ アンジェリ教会からもほど近い、サンタ マリア デッラ ヴィットリア教会にやってきました。

こちらの教会を訪れたら見逃せないのが、「天使と悪魔」にも登場する、ベルニーニの「聖テレーザの法悦」です。石から作られているとは信じがたいほどの柔らかな曲線に驚嘆させられました。

サンタ マリア デッラ ヴィットーリア教会 寺院・教会

「聖テレーザの法悦」と同じ祭壇の上部に視線を向けると、バルコニーにたたずむ人たちの姿が。彼らの背後には奥行きを感じさせる背景まで加えられています。劇場を思わせるような演出に、バロックの遊び心が伺えました。

サンタ マリア デッラ ヴィットリア教会の内部ですが、映画「天使と悪魔」のイメージによって、派手な銃撃戦ができるくらい、広々とした空間だと思い込んでいました。けれども実際のところ、今回の旅行中に訪れた教会の中で最も規模が小さいと感じるほどでした。

こぢんまりとしている分、美しい要素がぎゅーっと凝縮され、小さな教会に詰め込まれている印象を受けました。天井に目を向ければ、天使たちが立体的に浮かび上がっており、本当に宙を舞っているかのような錯覚に陥りました。

細部の細部まで金や大理石を用いた華麗な装飾が施されています。

いかにもバロック的な楕円形の天窓から神々しい光が差し込みます。ガラスの色合いのせいか黄金に輝き、この世のものではないような雰囲気が醸し出されていました。

個人的な感想ですが、サンタ マリア デッラ ヴィットリア教会の美しさは、今回に限らずこれまでの旅行で訪れた教会の中でも際立っていると思いました。カラカラ浴場の代わりにと軽い気持ちで訪れましたが、ここは見学して大正解だったと感じています。

サンタ マリア デッラ ヴィットリア教会からサンタ マリア マッジョーレ大聖堂へ移動します。

通り道である共和国広場の一角にはローマ三越があります。お手洗いの利用もかねて立ち寄ってみました。10年ほど前にツアーで訪れた記憶がよみがえり、ちょっと懐かしい気分にも浸れました。

三越の他にもイータリーも入っていました。イータリーでかわいらしいパッケージのキャンディーを買おうと思いながら、店内を見ているうちに買うことを忘れて出てしまいました…。これだから女子力が低いって言われるんですよね。

三越 (ローマ店) 百貨店・デパート

ローマオペラ座を発見。以前ツアーで旅行した際、このローマオペラ座の内部見学が行程に含まれていたのです。団体でのツアーでオペラ座を見学するなんて珍しいですよね。今回の旅行中は公演と重ならなかったので、観劇できなかったのが残念です。

ローマ オペラ座 劇場・ホール・ショー

本日3か所目の教会となる、サンタ マリア マッジョーレ大聖堂に到着です。

ローマ4大聖堂の一つに数えられる教会のためか、入場前に簡単なセキュリティチェックがありました。軍か警察だったか忘れてしまいましたが、ゆるーい雰囲気での対応だったので、何かが起きた時に対処できるのか、ちょっと心配になりました。

サンタ マリア マッジョーレ大聖堂 寺院・教会

外観はバロック様式ですが、内部は柱が連なるバシリカ様式でした。ローマでバシリカ様式という点だけでも、長い歴史を有する教会であると容易に想像つきます。

窓から夕暮れ時のやわらかな光が差し込み、祭壇奥に飾られた絵画を照らしていました。光の当たり具合が神々しかったものの、どうにも写真で表現できませんでした。

きらきらと黄金に輝き、まばゆいばかりのモザイク装飾。画面上部の箇所は5世紀に作られたものだとか。今から1500年以上も前のモザイクが、いまだに美しい輝きを放ち続けているとは…。ローマの歴史、恐るべしですね。

おまけの情報として、サンタ マリア マッジョーレ大聖堂内には寄付制（50セントの寄付が望ましい、寄付しなくてもよし）のお手洗いがありました。見学者・参拝者は誰でも利用可能ですが、思いのほか清潔でした。

個人旅行者にとっては、お手洗いがどこにあるかは結構大事な情報ではないかと、勝手に思っています。

翌日は早いものでもう帰国日。ゆっくりと教会を見て回れるのも、この日が最後だと思うと何だかしんみりとしてしまいます。

ローマの街はあまりにも見どころが多くて、とても2・3日では足りませんでした。今回訪れた教会なんてほんの一部に過ぎないと思うと、またローマに行きたいという気持ちが膨らみます。

サンタ マリア マッジョーレ大聖堂の見学を終えて聖堂前の広場へ。

大聖堂のすぐ近くにあるカフェでジェラートを購入しようとしました…

ジェラートの値段を聞いたところ、女性の店員さんがめんどくさいなと言わんばかりの横柄な態度でした。感じが悪かったので、やめようかなと思いましたが、どうにも甘いものが食べたかったので注文することに。しかし、フレーバーを選ぶ際も早く決めてくれと言いたげな険しい表情…。

そんなこんなで、ジェラートを口にしたものの、あまりおいしく感じられませんでした。これまでに利用した他の店よりも値段が高かったのも不満でした。せっかく、美しい教会を見てきて心が洗われた後だっただけに、残念な出来事でした。

最後の晩餐はテルミ二駅地下にあるコナドで購入したもの。おひとり様用にパックされた生ハムとチーズのセットとコロッケです。最後の晩餐にしては質素…

コロッケ（ショーケースに入っている）を買おうとした時、店員さんが「いっこ（１個）、にこ（二個）？」と日本語で返してきたので驚きました！ごく普通のスーパーのイタリア人店員さんの口から、まさか日本語が出てくるとは予想していませんでした。

日本語で返されるということは、それだけ日本人の利用者が多いということでしょうか？思い返してみると、たしかにコナドに行くたびに日本人と思しき方の姿を見かけました。駅構内にあるので便利ですからね～

コナド (テルミニ駅地下店) スーパー・コンビニ

9月5日、あっという間に迎えた帰国日。

空港に行く前に、もう一度ローマの街を歩いておこうと思い、スペイン広場方面へ行きました。夕方に訪れたときは大混雑だったスペイン広場も、午前9時頃であれば観光客が少なめでした。やはりローマの名所は早い時間に訪れるのが良さそうです。

ローマを離れる前においしいジェラートを食べておきたかったので、評判の良さそうな「チャンピーニ」に行きました。

チャンピーニは通りを挟んで2つの店舗がありますが、テイクアウトのジェラートを販売しているのは、サン ロレンツォ ルチーナ広場に面した店舗です。もう一店舗はカフェメニューとしての取り扱いのようでした。私は最初に後者の店舗に行ってしまい、店員さんに「向こうだよ！」と教えてもらいました。

で、肝心のジェラートは文句なしに美味しかったです！私は、ヨーグルトとレモンを選びました。ヨーグルトは粘り気のある質感に濃厚な風味、一方のレモンは爽やかな香りにやや強めの酸味。合わせて食べても調和する組み合わせだったので、最後までおいしく楽しめました。

チャンピーニ (サン ロレンツォ ルチーナ店) スイーツ

ローマの中心地で美味しいジェラートを堪能した後は、荷物を取りにホテルへ戻りました。

今回ローマでは合計4泊の間、ホテル Lazio を利用しました。テルミニ駅からも近くとても便利な立地でした。シングルルームの予約でしたが、空きがあったのかダブルルームのお部屋でした。おかげでスーツケースを広げるスペースも十分に確保でき助かりました。

ラエリ ホテル ラツィオ ホテル

シングルルームだとシャワーだけの設備のようでしたが、ダブルルームにはバスタブもついていました。長時間のフライトの後はゆっくりと湯船に浸かりたかったので、バスタブ付きでラッキーでした。シャワーの水圧も十分で、熱いお湯も安定して出ていました。ただ、シャワーカーテンが無かったので、水が飛び散ってしまいました。

ラエリ ホテル ラツィオ ホテル

ローマ滞在中にお世話になったホテル Lazio を後にします。ホテルの隣には中華料理店、道を挟んだところには教会があるので、わかりやすい場所だと思います。

テルミニ駅から空港へは、レオナルド・エクスプレスを使って向かいました。レオナルド・エクスプレス内は混雑もなく、冷房もしっかりと効いていて快適でした。（普通列車だと冷房が効いていない場合が結構あったので…）荷物置き場も完備されているので旅行者には親切なつくりです。ただし、切符のチェックがあるので、忘れずに打刻しておく必要があります。

レオナルド ダ ヴィンチ国際空港 に到着です。

アリタリア航空はターミナル3からの出発でした。私の持っていたガイドブックが古いせいか、そちらにはターミナル1と記載されていて、何かの間違いではないかちょっと焦りました。空港は改装されたばかりのようで、スタイリッシュなデザインでした。

チェックイン、手荷物検査まではわりとすんなり終わりました。しかし、出国審査に長い列ができており、自分の番が来るまでに時間がかかりました。予定よりも早めの列車で空港に向かって正解でした。

フィウミチーノ空港 空港

搭乗ゲートが表示されるまでの間、ヴェンキ チョコレートでジェラートを購入。今度こそイタリア出国前最後のジェラートです。

（写真のピントが合っていませんね…）こってり系のフレーバーは普段あまり頼まないのですが、この時はティラミスが魅力的に見えたのでこちらを注文。ホワイトチョコが練りこまれており、そのパリパリとした食感が楽しめました。

下調べも不十分なまま、始まった今回の旅行でしたが、それなりに目的を達成できたので、まあ満足といったところでしょうか。これにて2018年イタリア旅行記はおしまいです。さて、次の行き先はどこになるのやら。

ヴェンキ チョコレート スイーツ

この旅行記へのコメント （2）

• ちょんたさん 2018/08/15 18:28:19

  ローマも良いですね!

  ローマも行ったはずなのに、こうして旅行記を拝見していると、まったく見ていないとことだらけのような気がしてきてしまいました。
  機会があればまた行ってみたいと思います。
  サンタマリアマッジョーレ聖堂は必見ですね!５世紀のモザイク画ですか?
  モザイクは輝きが失われないので、本当に美しいですね。
  私もラヴェンナのモザイクの美しさが忘れられません。でも、残念なことに、冬の雨降りの夕方に訪れたので、きっと気候の良い明るい日の光の中で見たら全く違った印象になったのではないかと思っています。
  
  またお邪魔いたします。
  

  serresさん からの返信 2018/08/17 18:26:07

  RE: ローマも良いですね!

  ちょんたさん
  
  初めまして、そしてコメントありがとうございます。
  
  ローマは本当に見どころの多い都市ですよね。
  そしてサンタマリアマッジョーレ大聖堂のモザイクのように
  相当に古い時代ものが、当たり前のように至る所に残っていて驚かされます。
  
  ちょんたさんはラヴェンナを訪れているのですね。
  天井から床までモザイクで装飾された聖堂の美しさは、
  旅行記の写真を眺めるだけでもため息が出るほどです。
  
  チェコ・オーストリア・ドイツ旅行記の続きも楽しみにしています。
  プラハのエステート劇場の当日券が入手できたのはラッキーですね。
  歴史ある劇場でモーツァルトのオペラ鑑賞なんて、
  夢のような時間を過ごされたのでしょうね。
  
  serres